広告の裏

普通の会社の普通の休憩室。

今日も普通の会社員、波野と只野が雑談しています。

 

波野人「お疲れ!!」

只野人「お疲れ様。」

 

波野人「ねぇねぇ。うちの会社のチラシ見たんだけどさ。」

只野人「うん。」

波野人「まぁ、うちの会社のチラシに限らないんだけど、なんで裏まで印刷するのかな?」

只野人「そりゃ、少しでもたくさん情報を載せたいからでしょ?」

 

波野人「裏紙に使えないじゃん!!」

 

只野人「裏紙にされたくてやってるわけじゃないし。」

 

波野人「だって、昔はチラシの裏に絵を描いたりしたでしょ?」

只野人「それはそうだね。」

波野人「最近のチラシって、ほとんど両面印刷だから全然使えないんだよね。」

只野人「今も裏に落書きしてるの?」

波野人「いや、だから、裏が使えるチラシがほとんどないんだってば。」

只野人「あれば落書きするの?」

波野人「たまに・・・。」

 

只野人「子供のころから変わってないんだね。」

波野人「少年の心を忘れてないのかもしれない。」

只野人「言い方ひとつでよく聞こえるから怖いよね。」

波野人「怖いって言わないの。」

 

只野人「・・・でも、裏が白いままにするのも悪くないかな。」

波野人「なんで?落書きできるから?」

只野人「うん。子供が落書きできるから。」

波野人「子供?」

只野人「そう。小さい子供ってクレヨンとかで色々なものに落書きするでしょ?」

波野人「まぁ、そうだよね。」

只野人「チラシの裏って結構使えると思うんだよね。落書き帳買ってきてもきりがないし。」

波野人「確かにそうだよね。いらない紙がたくさんあればいいんだろうけど。」

只野人「子供が使うってことは、親がそのチラシを残す可能性高くなると思わない?」

波野人「両面印刷よりってこと?」

只野人「うん。チラシを見ない家庭でも、裏が白なら残す可能性あるような気がする。」

波野人「捨てるんじゃない?」

只野人「いや。使えるものは使うんだよ。ただだし。」

波野人「やけに語るね?」

只野人「うちの身内が言ってたんだよね。」

波野人「なるほど。」

 

只野人「だから、あえて裏を白紙のままで小さい子供が見そうな絵をふんだんに使った子供に関係ある広告を打つと効果あるんじゃないかと思って。」

波野人「なるほどね~。」

 

只野人「まぁ、僕が考えることじゃないけど。」

波野人「提案してみたら?」

只野人「僕がすると思う?」

波野人「しないだろうね。」

只野人「しないね。」

波野人「・・・。」

只野人「・・・。」

波野人「さて、仕事戻ろうか。」

只野人「うん。仕事仕事。」